Architect

建築家 桑原 聡

建築家 桑 原 聡

【PROFILE】
□1960年、東京都中野区生まれ。□1984年、東京理科大学理工学部建築学科卒業。□1986年、東京藝術大学大学院修士課程修了。□不動産分野で8年間の経験を積んだのち、1994年、一級建築士事務所桑原聡建築研究所を設立。□2007年、株式会社唯アソシエイツを共同設立し、家具デザイン及び家具制作も行う。□2011年〜2014年、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師として後進の指導にあたる。□近年は、住宅・共同住宅のプロジェクト以外に、医療・福祉分野や地方創生関連のプロジェクトも手掛ける。現在、東京と岩手県八幡平市内で二拠点居住を実践。両エリアにまたがり複数のプロジェクトを展開中。「NICHIHA SIDING AWARD 2016」において、オークフィールド八幡平が非住宅部門グランプリを受賞。

Design consept

四谷荒木町は入り組んだ路地が魅力的で、モダンな東京というよりレトロな東京だと感じました。今回はそのレトロなものと新しいものの融合を意識しています。若い方がメインターゲットになるかとは思いますが、シニアの方が断捨離をして単身で住むというスタイルも合うのではないかと。ですから尖ったデザインというよりは少し落ち着いた佇まいにしています。外観は建物を外から見上げた時のことを意識して、大きなスクエアの窓をリズミカルに並べました。そこから間接照明のやわらかな灯りが外へとこぼれるのも特徴です。オランダのアムステルダムの集合住宅みたいに、窓から生活をほんの少し垣間見せたくなるような、開放感を感じてもらえるのではないでしょうか。また、防犯性の高い内開きの扉やエアコン等の機器を目立たないようにする工夫など細部へのこだわりを数多く施しています。今回に限らずですが、空間が完成した後に住まう人の生活シーンがどう展開されるかをイメージして取り組むのが私の一貫したスタンスです。どこにどんな家具を置けば良いかまでを想定して設計しています。部屋の雰囲気を壊すことのないよう、住まう人の持ち込む家具を最小限にするため、収納の占めるボリュームを多くしました。幅広い年齢層の方々に、私たち創る側のポリシーと自分らしさの掛け合わせを楽しんで欲しいですね。
桑原 聡

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